恋のレシピの作り方
「桐野君、ごめんなさい、私……どうしてもやらなきゃいけない仕事があるの」


『え? そうなんだ、そっか…わかった、ごめん無理言って、また誘うよ』


「うん」


『また誘うよ』その言葉が、社交辞令であって欲しい。徒らに誘って、気持ちを揺さぶらないで欲しい。奈央は自身を正当化しながら矜持を保つことしかできなかった―――。
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