恋のレシピの作り方
「リブインって、もしかしてここに住んでるってことですか? 兄貴って……お兄さんがいたんですね」


「ああ、日本に帰国してから家を探す間、兄貴の計らいで部屋の一室を借りてるだけだ」


 そう言うと、一条は冷蔵庫からオリーブをつまむとポイッと口の中に放り込んだ。


「フランスから帰国って……随分経ってますよね?」


「まぁ、仕事が忙しくてって言うと言い訳だけどな、徒歩ゼロ分の職場なんてこんな都合いい物件ないだろ」


「え、ええ……まぁ、そうですね」
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