恋のレシピの作り方
「これ、お前の新作?」
「はい、まだ試作中なんですけど……」
一条が顎に手をあて、なにか考えているような仕草をすると、奈央は無性に自分の作ったものが恥ずかしくなってしまった。
「カトラリー」
「は、はい!」
催促する一条の手にナイフとフォークを差し出すと、唇の端で笑って一条はポワレに手をつけ始めた。
(嘘! 一条さんが! 私が作ったの……食べてくれてる)
今まで、味見をされたことはあったが、こうして個人的に食してくれるのは初めてだった。
フォークとナイフにしなやかな指が添えられている―――。
一条の完璧なカトラリーのマナーに、奈央はしばらく見蕩れてしまった。
「はい、まだ試作中なんですけど……」
一条が顎に手をあて、なにか考えているような仕草をすると、奈央は無性に自分の作ったものが恥ずかしくなってしまった。
「カトラリー」
「は、はい!」
催促する一条の手にナイフとフォークを差し出すと、唇の端で笑って一条はポワレに手をつけ始めた。
(嘘! 一条さんが! 私が作ったの……食べてくれてる)
今まで、味見をされたことはあったが、こうして個人的に食してくれるのは初めてだった。
フォークとナイフにしなやかな指が添えられている―――。
一条の完璧なカトラリーのマナーに、奈央はしばらく見蕩れてしまった。