恋のレシピの作り方
「Demain, a quelle heure tu viens? oui」
<何時頃いらっしゃいますか?>

 
 一条が勢い良く休憩室のドアを開き、ズカズカと入ってきたかと思うと、椅子に座って足を組んだ。そして、肩と頬に携帯を挟みながら、何かメモを取り始めた。

「ッ!?」

 一瞬、一条と目が合ったような気がして奈央は慌ててすぐに視線を逸した。

 そして、流暢なフランス語で電話をしている一条に刹那でも見蕩れていた自分に気づくと、不思議と心拍数が上がってドキドキと鼓膜を打った。

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