恋のレシピの作り方
 自分の事を少しでも理解してくれているのがたまらなく嬉しかった。


「だから、俺は何も言わない、お前が閃くアイディアと、俺が今思った事が一緒だったら、この新作にGOサインを出してもいい」


「ほ、ほんとですか!?」


 奈央はつい身を乗り出して、一条につっかかりそうになる。


「ああ、本当だ……それと」

「……?」

 一条が言葉を少し濁したような気がした。

「お前、今夜厨房で一晩過ごすとか言わないよな? だったら、俺の部屋に来い」

 一条は椅子から立ち上がると、何の躊躇いもなく奈央に言った―――。
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