恋のレシピの作り方
「一条さんは、毎日この景色を独り占めしてるんですね」

「まぁ、景色だけは見飽きないな……」

 我を忘れて窓ガラスに張り付く勢いで夜景に魅入ってしまう。その時、背中に視線を感じて奈央は窓に視点を移した。

(え……一条さん、私を見てる?)

 自意識過剰だと始めは思ったが、窓ガラスに映る背後の一条と目があった刹那、一条との突然のキスが記憶の中から蘇った。
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