恋のレシピの作り方
「昨日、一条シェフに頼まれてた仕込みを忘れてたらしいです。だから今、ああやって慌ててやってるわけです」


 正直なところ、生田は厨房の中でもおぼつかないイマイチな存在だった。けれど、仕事は遅いが器用な手先を一条は買っていた。

 時々、生田が一条本人から指導されているのを見たことがある。奈央も、彼に力添えしたいと思っていた。
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