恋のレシピの作り方
「って本当は言いたいとこだけど、もう恋人じゃないわ」


「……もう?」


「司とは昔……付き合っていたっていうよりも、私が一方的に追いかけてただけなのかもしれないけど……愛してたわ。彼、いい男よね」


 奈央は思わず「はい」と返事をしそうになって慌てて口元を押さえた。


「とにかく、改めてまたあなたのこと取材させてもらうわ、今日は顔合わせって感じで」

「はい」

 麗華は手帳をちらりと見ると鞄の中にしまって席を立った。


「じゃあね、私、次があるから」
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