恋のレシピの作り方
「……」

 一条は資料を読む手を止め、麗華の視線の先に見た光景に思わず目を瞠った。


「あんなおめかししちゃって、隣にいる人、彼氏かしらね」


 サラリーマン風の男が、奈央と楽しげに話している。徐々に湧き上がる苛立ちが一条の冷静さを失わせる。
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