恋のレシピの作り方
「だから、狙ってる子がこれ頼んだら男心情としては微妙かな……でも、大抵は意味を知らない女性がほとんどだけど」


「初めて知った……」


 そういえばこれを以前注文した時に、一条は憮然としていた。

 その友人の北川は大笑いしていた。今なら、その理由がわかる―――。


(私、一条さんの前で、堂々と……はぁぁ、馬鹿だ、無知って怖い)


 奈央はブルームーンの存在をかき消すように、グビッとグラスを煽って飲み干した。
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