恋のレシピの作り方
「ご、ごめんね、ちょっと今日は飲みすぎたかも」


 意外にも逞しく、温かな腕に奈央は一瞬ドキリとしてしまう。


(けど、この人は一条さんじゃない、彼のぬくもりとは違う……)


 ―――始めから気づいていた。


 桐野の事を男として見ていたというよりも、気の合う異性の友人としてしか見ていなかったことに……。
 

 ―――そんな優しさに甘えていた。


(私って、嫌な女かもしれない……)
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