恋のレシピの作り方
 ―――身体が柔らかいもので包まれている。

 その心地のいい感触に奈央は瞼の裏が明るくなっていることに気づいて、ゆっくりと目を開けた。


「ん……」


 ―――体が鉛のように重い。

 うっすら開けた瞳に、どこかで見たことのあるような天井が鮮明に浮き上がってきた。


(ここはどこ……?)


 身を起こすこともできないでいると、ガチャっとドアが開いて誰かの気配がする。
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