恋のレシピの作り方
「目が覚めたか」


「い、一条……さん? え? 痛ッ」


 無理にベッドから起き上がろうとすると頭に激痛が走った。なんとなく身体も火照って熱い。


「まだ、熱があるな」


 スッとしなやかな長い指が奈央の前髪をかきあげて、ひんやりとした手が額に触れる。


「あの、私……」

 一条の端整な顔が近づいた途端に、昨日の熱烈な口づけの感触を思い出して一気に顔が赤くなる。

(そうだ……私、また一条さんと―――!)
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