恋のレシピの作り方
 奈央は一条に一言お礼を書き記したメモをテーブルの上にそっと置いた。


「あれは……?」



 ふと、本棚に飾られている一つの写真立てに目がいった。本棚の一番上にあり、飾られているというよりも、無造作に置かれてその存在すら忘れられているような感じだった。


 奈央はそれを手に取るとそこには、うっすらとかぶった埃の中に笑顔でトロフィーを掲げる一条の姿があった。



「こ、これは……」
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