恋のレシピの作り方
「あなたに司の相手はできないわ、あなたは彼をダメにする」


「え……? ど、どういう事?」

 麗華のその言葉に、奈央は過敏に反応してしまう。麗華は餌に食いついてきた魚に愉悦の笑みを浮かべた。


「あなた、今の彼を今後伸ばすことができる? 料理の世界なんて変化がめまぐるしいの、変わらない者は死んでいく……私の仕事もそうだけど、常に新しいものを追い求めなければならない」


「……」


「まさか、自分だけ高みに上り詰めればいいなんて思ってないでしょね?」



 そんなことはない、奈央は常にローザンのために、一条のために身を削って今までやって来た。
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