恋のレシピの作り方
「ああ、ごめんなさい、なんか説教じみちゃったわね、ん~、それにしてもこの部屋も懐かしいわ」

 麗華は清々しいものでも見るかのように、窓の外に広がる景色を背伸びしながら眺めた。

 ―――まるでそれは、私と司のものだったのよ……とでも言いたげに。

 自分を挑発して、その反応を楽しんでいる。この人は……悪趣味だ。奈央は頭の中で分かっていても、麗華の一言一言が心臓の鼓動に拍車をかけた。
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