恋のレシピの作り方
「悪い、今ゆっくり話せる場所じゃないんだ」


「わかりました……すみません、また明日」


「え……? あ、ちょっと待て―――」


 最後、何か受話器から聞こえた気がしたが、奈央はガチャリと音を立てて電話を切った。
 
 一条の声よりも、今はあの声が気になって仕方がない―――。

(結局お礼、また言いそびれちゃった……)

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