恋のレシピの作り方
「あ、おはようございます、羽村さん」

 朝、出勤すると、厨房にはすでに羽村の姿があった。

「おはようございます、レシピはできたようですね」

「はい、野菜スープなんですけど、一条さんからアレンジしてもいいとのことだったので、季節の野菜を具材にしたスープにしてみました」

「それは、いいアイディアかもしれません、それでですね……」

「はい?」

 羽村はため息を付きながら首を振ると言った。

「本日、もうひと組ファンクション(団体)の予約が入っていたんです……それが間宮夫妻と同じ時間帯にかぶってしまって……」
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