恋のレシピの作り方
 先程まで身体全体を蝕むように渦巻いていた不快感が、スッと消えていく感覚に一条はおもわず口元を緩ませた。そしてその紙の塊をポケットの中に突っ込んだ。


「まぁ、俺も大概馬鹿だな……」


 シェフスカーフを結びなおすと、気を取り直して一条は部屋を出た―――。
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