恋のレシピの作り方
「いらっしゃいませ、ご予約の二名様ですね?」

 マニュアル通りに教育された店員が、二人を出迎えて、席へ案内した。

 周りを見ると、店内にいるどの客もハイソサエティな雰囲気をもった人ばかりだった。 


「メニューです、そうぞ」


「あ、すみません」


 メニューを開き、目を通していくと、奈央は何か妙な違和感を感じた。そんな様子を、羽村は一片の変化も見逃すまいと、じっと窺っていた。


 (なんだろう、この感じ……デジャヴのような)
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