恋のレシピの作り方
 ―――いつもの厨房、いつもの仲間。


 そのはずなのに、奈央はヴェルテで一条のメニューが流れている事実を知ってからというもの、なんとなく厨房で居心地の悪さを感じていた。

(レシピの情報が流れているとしたら、きっと内部の人間……って、あぁ、ダメダメ! そんなこと考えたらキリがない……)

 無意識に自分の仲間を疑惑の目で捉えてしまった自分を恥じつつも、やはり心の奥底で疼いている何かに不快感を覚えた。
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