恋のレシピの作り方
第二十六章 真夜中の逃避行
 ―――翌日。

 瞼の裏がうっすら明るい、ぼんやりした意識が浮き沈みしながら、徐々に鮮明になっていく。

「……ん」

 目を開けると時計の針はすでに昼の十二時を回っていた。


「!? ち、遅刻!?」


 ガバリと布団を押しのけ飛び起きる。


(あ……今日は休みだったんだ)

 まさに独身生活でありがちな行動に奈央は苦笑しつつ、テレビのリモコンを手に取ると、いつもの時間にやっている料理番組が映し出される。
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