恋のレシピの作り方
―――ここでなにしているの?
そう声をかけようとした時、生田は椅子から立ち上がってドアの方へ向かってきた。奈央は慌てて廊下に置いてあったダンボールの物陰に身を顰めて生田が過ぎ去っていくのを息を殺してやり過ごした。
バタン、とドアが遠くで閉まる音が響いたのを聞いて、完全に生田がこの場から去ったことを確認すると、奈央は事務所のパソコンの前に飛びついた。
(やっぱりない……)
生田が持っていった証拠はないが、USB差し込み口には何もなかった。
パソコンに触れるとかなり熱を持っている。生田はここで長時間に渡り作業をしていた事になる。
(どうして……?)
奈央は胸が押し潰されそうな緊張感に、額がうっすら汗ばんで、おぼつかない足取りで廊下にでた。
そう声をかけようとした時、生田は椅子から立ち上がってドアの方へ向かってきた。奈央は慌てて廊下に置いてあったダンボールの物陰に身を顰めて生田が過ぎ去っていくのを息を殺してやり過ごした。
バタン、とドアが遠くで閉まる音が響いたのを聞いて、完全に生田がこの場から去ったことを確認すると、奈央は事務所のパソコンの前に飛びついた。
(やっぱりない……)
生田が持っていった証拠はないが、USB差し込み口には何もなかった。
パソコンに触れるとかなり熱を持っている。生田はここで長時間に渡り作業をしていた事になる。
(どうして……?)
奈央は胸が押し潰されそうな緊張感に、額がうっすら汗ばんで、おぼつかない足取りで廊下にでた。