恋のレシピの作り方

「ん……あ、麗華……さ―――」


「そうよ、目を閉じて……このキスは、そう……あの子との熱いキス、ゆっくり想像して……ふふ」

　麗華は艶かしく舌を動かして、その薄い唇を舐めとると、生田はまるで催眠術にかかったかのように身体から力が抜け落ち、とろんとして頬を紅潮させてたいた。その姿はまるで、獲物を捕らえた蛇が獲物を丸呑みしているようで、生田は口づけの陶酔の中に一抹の恐怖を感じていた。



「か、春日……さん」


　その誘惑は生田の恐怖をも凌駕する妖艶さで生田を惑わしていった。麗華は生田の吐息が熱くなるのを確かめて、ベッドにそのまま誘い込むと、紅潮する生田の頬をその長い指で撫で回しながら怪しく微笑みを漏らした。



「私のために、もっと働いてくれるわよね？」


「は、はい……」

　生田の虚ろな瞳はすでに何も映し出すことのなく、震える指が麗華のブラウスをくつろがせていった―――。