恋のレシピの作り方
第二十八章 最後の選択肢
 その頃、奈央はいつものように厨房で戦士たちの士気を煽っていた。


「あー、ダメダメ、そんな焼き加減じゃお客様の所へ持って行った時にはミディアムじゃなくなっちゃう!」


「す、すみません」

 
 慌ただしくて息苦しい厨房に奈央は人知れずため息をついた。
 今日も一条は朝から外出していて不在で、羽村もよく厨房から席を外すため、奈央が代わりに従業員たちを動かしていた。

 ―――その時。

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