恋のレシピの作り方
「これ……は」


 化粧ポーチからはじき出されたものは、先日失くしたと思っていた奈央のUSBだった―――。


「ど、どうし……て? どうしてこれを麗華さんが……? あっ!」


 奈央が徐にそれを拾い上げようとした瞬間、麗華がひったくるようにして先にUSBを奪った。

「麗華さん!」

 奈央の呼び止めを振り切って、麗華は転がり出るようにレストルームを飛び出した。


「待って!」
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