恋のレシピの作り方
 力任せに腕を取られて、そのまま奈央は一条の胸の中に身体を預ける形になる。

 すっぽりと収まってしまった奈央の身体を、軽く包むように力強い腕が背中に回された。

 ふわりと一条の香りが奈央の鼻をくすぐった時、まるで癒しの魔法のように徐々に心が和らいでいくのがわかった。


「ちっちゃいな、お前」

「な……や、やめてください」

 そんな意味のない抗いも、一条によって抑えられる。
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