ハチミツ

「今まで告白されても丁寧に断ってた絵里が自分から恋をするなんてね～……」



一人でブツブツと喋り続ける菜奈。


完全に一人の世界入っちゃってるよ。


どうしよう…………




「でっ…でもね！どこの誰だかは全くわからないの」


とりあえずあたしは必死に話した。


「はっ？！」



そりゃそうなるよね。



「………知ってるのは名前と顔だけで、どこの人なのかも年齢も知らないの」



あたしはしょんぼり落ち込んだ。



すると、菜奈が………


「その人の名前は？」


っと聞いてきたのであたしは“岩倉雪哉さんだよ”っと言ったら菜奈は一瞬のうちに固まってしまった。



あたし、何か変な事言っちゃったのかな？




固まり続ける菜奈に、ちょっぴり困ったので
あたしは菜奈の顔の前で手を「おーい」と言いながらふった。