sweetly
「蒼生(アオイ)と申します。」
軽くお辞儀をして名刺を交換する。

「千代子さん。」
その人は爽やかに笑って、今渡した名刺を見る。

「お久しぶりです。」
私は完璧な営業スマイルを向ける。


3年ぶりに見た爽やかな笑顔は少し大人っぽくなっていた。



「お久しぶりです。千代子さん、元気でしたか?」

「藤堂さんこそ、元気そうでなによりです。」

敢えて、他人行儀に挨拶をすると、横から

「二人はお知り合いですか?」

と声が聞こえた。

「はい、大学の時の先輩です。
学生時代には、とてもよく面倒見てもらいました。」
と彼は部長らしき人に説明をする。

「そうでしたか。では、今回のプロジェクトでもご迷惑をお掛けするかもしれませんが、頑張って成功させましょう。」


打ち合わせが始まり、2時間ほどで終わった。



「さて、帰るか。」
< 2 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop