sweetly
あれは、とても寒い冬の日で
わたしが23歳でもうすぐ24歳の誕生日を迎える頃。


大学の頃に付き合っていた彼氏と別れて、
自分でも意外なほど未練があった。



心に空いた穴の塞ぎ方がわからないまま、私は海へ行った。

冬の海は私の心を穏やかにしたけど、空いた穴は塞いでくれなかった。





……もう、帰ろうかな…





ふと、私の影に人影が重なった。

見上げるとそこには春の日差しのような柔らかい笑顔があった。
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