sweetly
彼の周りだけはとても暖かくて、幸せな空気を感じた。


その瞬間、私は笑っていた。



彼があんなにも、優しく笑うもんだからつられてしまった。




「寒くない?あっためようか?」




普段の平常心なら警戒するはずが、この日はもうダメだった。

何も考えたくない。

このまま彼に身を任せようか。

彼なら楽園に連れていってくれるんじゃないか。




そんなことを思いながら、彼の差し出す手を握った。








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