私のナイトはやくざ
その怖いことが現実だった。

仕事が終わって、今日は本宅へ私も紀子さんと一緒に向かった。


出迎えてくれた橘さんの口元はきれていたそうだった。

それでも、紀子さんが発した最初の言葉は大丈夫?という言葉ではなかった。


「ちゅう・・・ありがとう」


感謝の言葉だった。


紀子さんっていう大きな人をみた気がした。

自分のために、父親に頭を下げ、殴られ、それでも自分をほしいと言ってくれた人。

その人に、感謝を伝えたのだ。



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