私のナイトはやくざ
『もう、お金ないから・・・』

私が、初めて彼からの要求を拒否した。

”パシっ”

彼が私の頬をたたいた。

「お前は働いてんだろ。それくらいくれよ。
 俺は困ってんだから・・・」

そして、私の鞄から財布を取り出すと、紙幣を抜いて、そのまま出かけて行った。



『もうだめかな・・・私、彼を愛していないもん・・・』


正直な気持ちだった。

愛していたけど、今はもう愛情はない。

ただ、このまま彼をほっぽり出すことなどできないと思うことだけだった。
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