【短編】『Sweet Dentist番外編』Anniversary
安原さんはとても落ち着いていて話し方もソフトな人だった。

食事の間も気がつけば誠のことを考えてぼうっとしている私を、緊張していると思っているらしくて何とか楽しませようと、いろいろな会話を持ちかけてくれる。

「雪乃さん?またぼうっとしてますよ?
今日は体調でも悪いんですか?」

誠のことを考えて意識を飛ばしていた私に安原さんが心配そうに声をかける。

今日何度目だろうか。

あわてて意識をお見合いに戻すと、安原さんは探るような目であたしを見ていた。

「雪乃さん?あなた、誰のこと考えているんですか?
少なくとも今ここにいる俺のことじゃないですよね?」


どきん…


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