兄妹の罪
まるで、ママの背中から流れ出す血が、ママの体温を奪っていくよう。
「ママっ、ママっ!」
わたしは必死で呼びかけた。
ママはわたしに暴力を振るう。
でも、それはパパの死があったから…
行きどころのないママの感情は、わたしにぶつけるしかなかった。
おにぃちゃんは、20歳のとき、家を出た。
もちろん寂しかったけど、わたしにはパパもママも側にいた。
わたしは、ただそれが嬉しくて嬉しくて…
だから、そんな出来事があるなんて思いもしなかった。