死神と私
すると突如ドアが開いた。

「あ・・・れ・・・?みっ・・・水香,何してるの?」

ドアを開けたのはミズキであった。

「うっ・・・うぅ・・・」

我慢していた涙が一気に溢れ出してくる。

怖かった。怖かったよ。みずきぃ・・・。

「うっ・・・ミズキは・・・命の恩人・・・・」

泣きながら言うとミズキは何やら状況が把握できない様子である。

無理もない。いきなり友達に泣かれて抱きつかれたのだから。

「どうしたの?」

「ミズキがお風呂から出たら話す」

「分かった」

そう言ってよろよろとのろけた足を動かして千愛姫のいる部屋に入った。

寝巻きを探して着替えた。

「何かあった?」

「ん・・・ちょっと」

「何?」

「ミズキがあがったら話すよ」

「んー・・・分かったよ」

すると千愛姫は急にまじめな表情になった。

そして何か重大な事をいいたげに口をモゴモゴとさせていた。

「…話,あるの?」

「うん」

そっか・・・。きっと私が感じ取ったものに関連しているのかな。

「最近…5組の桐島亞嘉猫が突然死んだって事件があったでしょ?」

「うん…あったな・・・そういう不気味なの」

「そしてその友達安威儀阿佐美も死んだ。二人とも活発で将来に向けて励んでいた」

「それと…何の関連が…」

「水香,殺気を感じ取ったでしょ」

「えっ」

一瞬にして言葉に詰まった。

千安威姫は知っているんだ。あの殺気のことを。

もしかして...。

「あたしも感じ取ったんだ…ものすごく…怖い殺気を」
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