死神と私
「…ここだな…」

「え?」

死神はそう言って大きく鋭くとがった鎌をブンブンと振り回す。

水香は心の中で大きな悲鳴を上げていた。

殺気に満ち足りた空気が一気に襲いかかて来る。

ミズキを見てみるといつの間にか眠りに落ちていた。

「そ…んな」

ミズキはスースーと寝息を立てて寝ている。

もうだめだ....殺される。

肩を振るわせ泣き始めたときだった。死神は不敵な笑みを見せて水香の足の上に座った。

そしてフードを外して水香の顔に自分の顔を近づけた。





ガイコツ…ガイコツのカオォォォォォォォォッ!





「い…や……来ないで…殺さないで…」

やっとの事で出てきた言葉。しかし死神は同情するどころか水香を押し倒した。

「何すんのっ…」

「俺の顔…よーく見てみろよ」

「やだやだやだっ…骸骨やだ」

怖すぎて呂律が回られない水香。

「ったく…世話かかる女」

死神は声からにして男っぽい。骸骨に男とか居るの?

そんな事を思っているとグリグリと頭を拳でやられて痛かったので思わず「見ますーっ,見ますからやめてっ」と言ってしまった。




やっとの事グリグリを免れて泣きながら死神の顔を見ると人間であった。



「に…んげ…ん?」



「いいや…人間の顔をした死神だ」





その死神は見た目からして18くらいの若い男性である。

顔立ちは良く,ロン毛でストレート。前髪はバラバラで長いのと短いのがある。

「かっこいい…」

ってそんな事思ってる場合じゃないよっ バカだな私っ!
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