死神と私
すると死神は水香の言葉を聞いてニヤッと笑い,水香の耳元で囁く。




「死ぬのは…怖いか?」



「怖いに…決まってるよ....」




震える声で答える。

「なぁ…死神はな,元気で新鮮な魂を狩る為に毎日この世を回っているんだ…。そして今日はお前の魂を狩る....ハズだった」

「・・・・・え?」

突然の言葉に口をポカンとあけたまま死神を見つめる。

し…死神のクセに殺すはずだったって…どんな言い方?

もうワケが分からなくなってきた。


すると死神は,


私の唇にそっとキスして…




「俺はな…君を気に入ったからだよ…」





き・・・・気に入ったから・・・キスしたの?

なんなの・・・こいつ・・・。


唇を押さえて死神をじっと見つめる水香。

死神はそして水香の肩に顔を乗せて話し始めた。


「なぁ…風谷亮って男を知ってるか?」


その時窓やドアも開いてないのに一気にブワッと冷たい風が通った。

寒い…。


それになんでだろう。

何で死神なんかが亮の名前を知っているの?


もしかして…やっぱり…。






「もう・・・感づいてるだろ?俺が風谷亮を殺した…いや,あいつの魂を狩ったのさ」







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