Dreamers-夢物語-


10分後、また戻ってきて教室を見るとまだ帰っていない。
俺は静かに教室に入った。


「はぁ…」


ため息をついた士に俺は後ろから声を掛けた。

「士」

「え!?あ、れ、廉っ!?」


あまりにもびっくりしたのか、いきなり勢い良く立ち上がり、何かを隠そうとした。
俺は慌てて隠そうとしたノートを取り上げた。


「あっちょ、それダメ!」

「ちょっと待て!危ねぇからやめろ!」


めっちゃ慌てて奪い返そうとした士は、ノートを手で弾き返してしまった。
そのまま床に落ちるキャンパスノート。
落ちた反動なのか、ノートの中が開いた状態で落ちた。


「…!」


落ちたノートを俺は士より早く取った。
士はもうダメとそういう顔をする。


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