Dreamers-夢物語-


廉side


「行ってきまー」

「行ってらっしゃーい」


リビングの方から母の声が俺のいる玄関に響いた。
ドアを開ければ真夏と同じくらいの暑さを感じた。
太陽もギラギラと空に浮いている。
こんなにも暑いと出掛けたくないな。
そんなことを脳内で考えながら、俺はマンションを出て新しい学校へと向かった。

俺、海東廉は10年ぶりにこの生まれ故郷に帰ってきたんだ。
小学2年の夏までこの町にいたが、父親の転勤で名古屋に行って。
その名古屋で過ごしていると、両親がすれ違いの生活になり、後に離婚。
俺は母と一緒にここに戻って来たってわけ。

にしても…俺が通う学校はなんやら規則が厳しいらしい。
染めちゃいけないとか、ピアス開けちゃいけないとか。
ま、私立だからってのもあんだろうけど。
あ、俺は既に金髪だし。
ピアスは右だけ開けてるし。
手遅れ?って感じだ。
今更直せと言われてもする気ないが。
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