Dreamers-夢物語-


「…士…」


ソファーに隣同士で座っていた俺は、隣にいる士に自分から抱き付いた。
そんな俺の頭を優しく撫でる。
辛いよね…囁くように俺に言って。
俺は諦めたくないんだ。
本気で。
俺はこいつと一緒に、夢を叶えるんだ。
2人でそう誓ったんだ。
だけどそれを諦める、破るようなことをしたくない。


「廉は廉がしたいようにすればいいよ。あたしは別に構わないからさ」


少し微笑んだのがわかった。
俺はなんで?と士の体に顔をうずくめながら聞いた。


「廉の人生だもん。美佳さんも言ってた。廉が決めればいいって」

「…どうすればいい」

「廉が少しでも跡取りの話、受け入れてるならそっちにいきなよ」

「え…」


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