Dreamers-夢物語-
「小2の夏休みに、お前と夏休みを過ごしてるんだ。近くに海岸あんだろ?あそこで毎日一緒に遊んだんだよ」
事故に遭う前の話。
だから、あたしはそのこと自体も、不良くんのこと自体も覚えていなかった。
その後の話によれば、あたしと不良くんは家族の話や将来の夢の話、自分達の話などを一夏でたくさん話したらしい。
そのとき、あたしは不良くんにこう言ったらしい。
『2人で自分が幸せだって思える家族作るの!廉もお母さん達と話せばいんだよ』
と。
あたしがそんなこと言う筈がないが、言ったんだろう。
記憶がないために、否定は出来ないから。
「俺は夏休みの終わりに父親が転勤すっから名古屋に引っ越すことになって、最後の日にお前に星形のネックレス渡したんだよ。お前持ってるだろ」
そう言われ机の上にあったそのネックレスをとった。
見せるとそれだよと柔らかい笑顔を見せた。