夢の外へ
それにしても、気づかないのかな?

みんなが千景とあかりさんを見ていることに。

さっきまでスマートフォンをいじっていたスーツ姿の学生も、パソコンで仕事をしていたサラリーマンらしき男も2人のことを見学していた。

「で、今度はうまく行かないからあたしと再会してヨリを戻しましょうって?」

あかりさんの切れ長の目が千景を見つめた。

まるで射抜くようなその目は、キレイと言うよりもゾッとしたと言った方が正しかった。

「そんなんでお前を呼び出すほど俺はヒマじゃない」

バシャッ!

その音と行動に、その場にいた誰もが凍りついた。
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