夢の外へ

「俺と…本当に一緒にいて欲しい」

事件から3日経った。

なのに、千景の目が開くことはない。

「明日香」

千景の顔を見ている私の後ろから、杏樹が声をかける。

「ご飯くらい食べたら?

もう3日よ」

「いい…」

心配そうに話しかける杏樹に、私は首を横に振って答えた。

「千景が目を覚ますの、待ってるから…」

「そんな…」

杏樹が困ったと言うように呟いた。

わかってるよ。

私の躰が心配なことくらい。

自分でもひどいことはわかってるから。
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