夢の外へ
「石塚さんは?」

「えっ?」

いきなり彼に話を振られて、私は戸惑った。

「石塚さんも参加したからには何か理由があるんでしょう?」

…もしかしてとは思ったけど、私が婚活パーティーに参加している訳を見抜かれてる?

「仕事から解放されたいからです」

正直に、私は参加した理由を言った。

何となくだけど、彼の前でウソをつくのは無理だと思った。

彼だって正直に参加した理由を話した訳なんだし、ここで私がウソをついたらフェアじゃないと思った。

「まあ、要は…専業主婦になりたい。

そう言った方が正しいですね」

私が言ったとたん、何故か沈黙が流れた。

…ちょっと待って、何か言ってよ。

私の思いが通じたのかどうかはわからないけど、先に沈黙を破ったのは彼の方だった。
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