夢の外へ
「もう、さ」

「うん…」

「終わりにしないか?」

千景が言った。

「契約だけの関係、上辺だけの関係を」

「…えっ?」

上辺だけの関係を終わらせる?

別れるってこと?

「いいや、本当にしようって言うこと」

頭の中を読んだのか、千景が言った。

「本当はさ、お前と出会う前に1度だけ見たことがあったんだ。

ずーっと前に参加した婚活パーティーで明日香、お前を見かけた」

「ウソ…」

「ホント。

次にお前を見かけたのは、あの婚活パーティー。

その時俺さ、運命だって思った。

俺こんなこと信じる柄じゃねーのに、この時は何故かそう思った。

それで何としてでも明日香を手に入れたかった。

ここでチャンスを逃したら、もう会えないって思ったから」
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