夢の外へ
美味しいワインに舌鼓を打っている私に、
「あ、そうだ」

千景が思い出したようにそう言った。

「どうしたの?」

私はグラスをテーブルのうえに置くと、質問した。

「今日親にさ、明日香のことを話したんだ。

結婚相手が見つかったって」

千景が言った。

「ふーん、それに対して親は何て?」

そう質問した私に、
「別に、特に反対しなかったよ。

俺が見つけた相手ならまあいいかみたいな反応だった」

「あら」

私は驚いた。

ずいぶんなご両親なことだわ。
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