夢の外へ
おまけに当人には出世の欲がないみたいなので、30間近だって言うのに未だにヒラのぺーぺーだ。

少しは他を見習えと言う話だ。

私なんかおととしに主任と言う肩書きをもらったばかりだって言うのに。

まあ…その主任と言う地位も名ばかりで、実際の役は雑用や部下の面倒、上司のご機嫌うかがいばかりだ。

そのせいでいつも帰りが終電間近になるのは当たり前だ。

でも彼女の地位が上っておかしいでしょ!?

「それでこの間の合コンは?」

これまた優雅にシフォンケーキを食べながら杏樹が聞く。

キーッ、それはセレブならではの余裕と言うヤツでしょうか!?
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