夢の外へ
「明日香、行くぞ」

「――あ、うん…」

放心状態のタカマサをこの場に残し、千景に腕を引っ張られるままその場を後にした。

一緒に車に乗り込んだとたん、
「ケガはなかったか?」

シートベルトを締めながら千景が聞いてきた。

「うん、大丈夫だよ」

そう答えた私に、
「そうか」

千景が答え終えたとたん、車内が無言になった。

「引っ越しは?」

「へっ?」

いきなりそんなことを言われたので訳がわからなかった。

「引っ越しは考えているかって。

あいつ、お前の住所知ってるんだろ?」
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