夢の外へ
「んな驚くことねーだろうが」

千景は呆れたように言いながら部屋に入ってきた。

「わわっ、まだ終わってないのに…」

止めようとする私だけど、千景の足は止まらない。

「一緒に住むって言うのに。

入るたんびにビビられちゃ、こっちが困るよ」

千景が続けて呆れたと言うように言った。

まあ、それもそうな訳だけど。

確かに住むことになったって言う訳だけど。

「で、何の用?」

顔出して、そのうえ部屋に入ってきたから何か用事でもあるんだろう。

「買い物行くかって」

「買い物?」

私は聞き返した。

「何か欲しいものとか足りないものとか」
< 74 / 163 >

この作品をシェア

pagetop